舞台『わたしの、領分』
(公財)練馬区文化振興協会 舞台芸術支援事業(平成30年度後期)
療育センターで発達障害児を面談する、若き心理士の萩野。
「いつか治りますよね?」「うちの子を障害者にする気か!」
わが子を想って焦る親たちを前に、うまく面談は進まない。
萩野は子どもを作ることについて、夫ともすれ違ってしまう。
「自閉症は治すべき病気ではなく、支援すべき個性なんです」
特性を持ったまま大人になる子どもを、親御さんと一緒に見守りたい。
―萩野は折れることなく、目の前の人たちと向き合っていく。
ある日。かつてセンターに通っていた青年がやってくる。
彼の起こした傷害事件は「自閉症をめぐる問題」にまで発展……。
差別と偏見が膨らむなか、萩野はひとり、自分のこころと対峙する。
世界のあいまいさを許容して生きるための。
わたしたちから紡ぐ、「生きづらさ」の物語。
News
2018/9/23 noteにてライナーノーツ公開中!
2018/7/11 公演情報の出演者を掲載しました。
2018/5/25 出演者募集オーディションのお知らせを掲載しました。
2017/11/19 次回公演情報・メンバー募集のお知らせを掲載しました。
2017/3/18 クラウドファンディングが目標金額を達成いたしました。ご支援いただきましたみなさま、まことにありがとうございました。
2017/3/16 LITALICO(りたりこ)発達ナビ様に、松澤くれはのインタビューを掲載していただきました。
2017/1/28 松澤くれはプロデュース『わたしの、領分』公演情報を公開しました。
「わたしの、領分」プロジェクト始動
今回の再演で終わることなく、今後も継続して上演していくこと、そしてそれを通して、より多くの方にこの作品に触れていただくため、クラウドファンディングも実施。多くの方のご支援のおかげで目標金額を達成いたしました。まことにありがとうございました。
公演情報
2018年版 『わたしの、領分』
【日程】2018年10月18〜21日
10/18(木) 19:30
10/19(金) 15:00 19:30
10/20(土) 14:00 18:00
10/21(日) 13:00 17:00
【会場】大泉学園ゆめりあホール(東京都練馬区東大泉1丁目29−1 6F)
作・演出
松澤くれは
出演
福永マリカ
五十嵐啓輔
榎あづさ
江幡朋子
早山可奈子
三木万侑加
雨宮慎太朗(レティクル東京座)
久木田かな子(劇団物語研究所)
坪内悟
真嶋一歌(リジッター企画)
松本旭平
山田健太郎(やまだのむら)
宮原奨伍(大人の麦茶)
チケット
[前売券]S席4,800円(客席前方) A席4,300円
[当日券]4,500円
※全席指定席 ※未就学児入場不可 ※上演時間:約95分
※受付開始・当日券販売は開演40分前、開場は30分前
[練馬区文化振興協会友の会]3,000円(A席/要予約/要会員証提示)
※練馬区文化振興協会友の会 会員の方はメールにして予約受付。
お名前・ご希望の回を pro.watashi@gmail.com(森永)へご連絡ください。
(カンフェティで発券されましたチケットは割引適用外となります)
【チケット窓口】
カンフェティチケット窓口
※S席・A席 お席お選び頂けます。
[Web]http://confetti-web.com/ryobun2018
[TEL]0120-240-540(受付時間 平日10:00~18:00)
当日精算予約フォーム
※A席のみ お席はお選び頂けません。
https://www.quartet-online.net/ticket/ryobun2018
【カンフェティ託児サービスについて】
カンフェティにてチケットをご購入いただいた方を対象に、無料の託児サービスがございます。
対象日:18日,19日,20日の12時から17時半の間(最短1時間の利用)
託児場所:キッズスペースマザーズ(東銀座)
託児場所住所:東京都中央区銀座線4-13-11 松竹倶楽部ビル4F
https://s.confetti-web.com/tokuten/bs/about_bs.php
詳しくはwebサイトをご覧ください。
(託児委託先:イベント託児・マザーズ)
スタッフ
脚本・演出:松澤くれは
舞台監督:吉倉優喜、ワタナベユウタ
舞台美術:小林裕介
音響:斎藤裕喜(Québec)
照明:阿部将之(LICHT-ER)
小道具:定塚由里香
宣伝美術:イラスト…谷川千佳/デザイン…milieu design
演出助手:平本野百合
Web・記録:くろまく株式会社
票券・当日運営:塩田友克
制作:森永たえこ
協力:エルビス・エンタテインメント、オフィスマトバ、株式会社エスエスピー、株式会社スチール・ウッド・ガーデン、株式会社和奏AGENCY、タイムリーオフィス、ベリーベリープロダクション、火遊び、LIVEDOG株式会社、リベルタ
製作:「わたしの、領分」製作委員会
お問い合わせ
pro.watashi@gmail.com
050-5319-3493(森永)
会場
大泉学園ゆめりあホール
〒178-0063 東京都練馬区東大泉1-29-1
西武池袋線 大泉学園駅 / 北口 徒歩1分
松澤くれは
脚本家・演出家。1986年、富山県生まれ。
早稲田大学第一文学部演劇映像専修卒業。
演劇ユニット<火遊び>代表。
芥川賞作家・中村文則氏『掏摸[スリ]』の舞台化にはじまり、『殺人鬼フジコの衝動』『天帝のはしたなき果実』『くるぐる使い』『私を知らないで』など、人気小説の舞台版を手がける。
オリジナル作品では「あなたとわたしが[We]に近づく物語」をテーマに、言葉で分かり合おうとしながらも分かり合えないことを受け入れ、それでも対話を諦めずに前を向く人間の生き方を一貫して描く。現実のような生々しい会話劇で、観客の日常につながるラストシーンを目指している。
2018年、『りさ子のガチ恋♡俳優沼』(集英社刊)で小説家デビュー。
ごあいさつ
『わたしの、領分』は発達障害について、療育センターに勤める心理士の目を通して描いたものです。
発達障害が語られる時、当事者の子どもや親御さんの立場からが多い印象を受けます。
ですが支援する心理士もまた、現場で悩み、葛藤し、苦悩しています。
「演劇で発達障害と療育について考えるキッカケを作りたい」
「あまり語られることのなかった視点から、いま私たちの社会が抱える課題を探りたい」
10か月の取材でそう感じながら、戯曲を書き上げたのをおぼえています。
2015年に初演を迎え、その後、製作委員会を発足して2017年に再演いたしました。
クラウドファンディングには多数の支援が寄せられ、この度、再再演を実施する運びとなりました。
▲『わたしの、領分』2017年3月・再演
『わたしの、領分』は、生きにくさをテーマにした物語です。
「普通」といわれる多くの人も、日常生活で生きにくいと感じることがあるかと思います。
誰にだって悩みはあるし、対人関係では迷うことばかり。
割り切れなくて、でも時には白黒つける必要に迫られる。
▲療育センターでの、親子と心理士の面談
正常と異常。あちらとそちら。普通か特殊か。正しいか正しくないか。
区別して、差別して、無理やり境界線を引くのではなく。
ありのまま。うまくやれない自分を認めて、あいまいなまま、前を向いて生きる。
▲自閉症の子どもを持つ母親と、心理士の葛藤
これは作り手の結論や、答えを伝えるような舞台ではありません。
終わらない物語。それぞれの日常へつながるようなラストシーン。
舞台を観た人が、それまで遠いと思っていた物語に触れて、知って、考える。
今まで発達障害や療育に触れてこなかった人が、観終わった後に、初めて疑問を感じたり、新しい考えが浮かんでくる――そんなキッカケになれる作品を目指しました。
2016年7月、相模原障害者施設殺傷事件が起こりました。
あれだけの事件にもかかわらず、匿名報道の末に続報も少ないまま時が過ぎゆきます。
優生思想に基づく許されない犯罪の糾明も、いまの社会の在り方を問いただす機会もないまま、忘れられていくのでしょうか。
▲とある事件に巻き込まれる高機能自閉症の青年
大切なのは社会が変わること。
差別や偏見のない、どんな個性も自然と受け入れられる社会を築くこと。
社会が変わるにはまず、そこに暮らす一人ひとりの見方が、変わる必要があります。
演劇にできることは限られているし、社会を劇的に変えることはないかもしれません。
けれども演劇は、きっと目の前の人とは通じ合える。
だから『わたしの、領分』の再演を決めました。何度も上演を重ねると心に決めました。
▲あなたと、わたしが、[We]へと近づくために。
生きづらくても、それでも。生きていくことを選ぶため。
この「あいまいな世界」を許容して、今の自分を受け入れて。
誰かと手を取って、ほんの少しだけ前を向くことは、できないか。
面白いだけを求めるのではなく、上演する意義のある作品作りを。
演劇ファンだけでなく、同じ時代を生きる人たちと一緒に物語を共有したい。
発信し続けて、一人でも多くの「まだ出会っていないあなた」に届けるため。
2018年版『わたしの、領分』を上演いたします。
「わたしの、領分」製作委員会 会長 松澤くれは
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